新刊案内

『お酒をつくる戦国の代官-小田原北条氏家臣・江川氏』

幕末を主導した伊豆韮山代官江川氏。太郎左衛門として知られるそのルーツを丹念に探索。

『江川文庫』をはじめ、戦国末期、近世初頭の一次史料を渉猟して見えてきたのは、

 小田原北条氏に代官として仕え、土地を管理・集積しながら、

 名高い名酒「江川」をつくり、連歌師など当時の知識人とも活発に交流する、

 場所や身分に囚われない、そんな自由な中世人(びと)の姿だった。

だが、戦国の掉尾を飾る小田原攻めの結果、江川氏もまた、変質を余儀なくされてゆく・・・

 

目 次

第一章 江川氏の出自

 ルーツは大和国か

 京都の土倉・酒屋、宇野氏

 伊豆に下向し、江川氏に

 伊豆下向の時期

第二章 戦国時代の江川氏の系譜と事蹟

 近世初期の家系図では

 同時代の史料等から系図を再構築すると

第三章 江川氏の伊豆下向と伊勢(北条)早雲

 早雲という呼び名について

 早雲の出自と駿河国下向

 早雲の伊豆侵攻

 早雲の小田原城攻略と伊豆平定

 宇野氏の伊豆下向、お酒の献上、屋敷拝領と代官任命

 江川邸にみる江川氏の軍事的な役割と働き

第四章 領主に成り上がるー立野郷と金谷郷

 ひとかどの侍(給人)となる―立野郷

 領主に成り上がるー本拠地金谷郷

 金谷郷の「額面」試算

 「笠原被官」の排除、土地の集積

 土地の開発、隔絶した地位

第五章 代官を務める

 代官が郷村から取り立てる「借金」

 郷村の数を試算

 領主のような代官

 江川氏の「借金」問題

第六章 お酒をつくる

 「江川」という名酒

 京都仕込みの美味な清酒ー良質な水と米

 江川酒の製法

第七章 京都とつながる

 江川氏の寺檀関係

 本圀寺と江川氏

 京都の菩提寺

 大曼荼羅(守本尊)の下賜

 訪問客のナビゲートと応接

 江川英吉の「留学」、当主父子の上洛

 江川英長と連歌

第八章 引き継がれるもの、変わり絶えるもの

 いくつもの顔をもっていた江川氏

 小田原合戦後の江川氏

 落城後の江川氏

 近世に引き継がれるもの

 変わり絶えるもの

参考資料


『お酒をつくる戦国の代官-小田原北条氏家臣・江川氏』
税込 1,320円
(本体:1,200円 + 消費税 10%)
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